地球に住む一人の人間として、自分を見つめ直す。『みんなで、つなぐ!チャンネル』第一弾・養老孟司編の舞台裏。

野村不動産グループのサステナビリティポリシー「Earth Pride 地球を、つなぐ」を実現するためのプロジェクトの一環として、新たな企画『みんなで、つなぐ!チャンネル』が始動しました。

このチャンネルは、野村不動産グループのサステナビリティポリシーにまつわる「地球」「気候変動」「ダイバーシティ&インクルージョン」「生物多様性」「サーキュラーエコノミー」の5つのテーマに沿って、その分野の第一線で活躍される方々をお迎えし、お話を伺うグループ従業員専用の動画コンテンツです。

ナビゲーターは、テレビ・ラジオでSDGsを発信する世良マリカさんと、ソーシャルグッドの社会実装を担うプロデューサーの大畑慎治さん(Makaira Art&Design)さん。

初回のテーマは「地球」。地球の持続可能性や、企業人としてどのようにサステナビリティと向き合っていけば良いのかを探るのがねらいです。ゲストに『バカの壁』で知られる解剖学者の養老孟司さんをお招きし、この壮大なテーマに挑みました。

動画公開に先立って、本記事では記念すべき第一回の収録の舞台裏をお届けします。

PROFILE
養老孟司さん

1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。1989年、『からだの見方』でサントリー学芸賞を受賞。1995年、東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。著書に、『唯脳論』『身体の文学史』『人間科学』『バカの壁』『死の壁』ほか多数。『バカの壁』は460万部を超えるベストセラーとなり、2003年の新語・流行語大賞、毎日出版文化賞特別賞を受賞した。趣味は昆虫採集。

新たなチャレンジ!2メートルの地球儀が登場

今回の収録場所は、野村不動産グループの「芝浦プロジェクト」のサロンルームをお借りしました。芝浦プロジェクトでは、浜松町ビルディングの建替事業として、2025年竣工のS棟と、2030年竣工のN棟からなるツインタワーが建設され野村不動産グループ各社の本社もS棟に移転予定です。

3月某日、撮影チームが到着したのは午前11:00。サステナビリティ推進部からは中川・古川が立ち会い、刻々と変わっていく太陽光の具合を確認しながら画角を決めていきます。窓の外に広がるお台場の景観はこの浜松町ビルディングならでは。抜けるような青空のもと、レインボーブリッジがきらきら光っていました。

するとそこへ、「Earth Pride 地球を、つなぐ」というポリシーにちなんだ直径2メートルの巨大な地球が登場!

大掛かりな設営を、パンダのぬいぐるみが見守っています。実はこれ、サステナビリティ推進部のメンバーが徳島県上勝町を視察した際、まだ使えるものを持ち寄るゼロ・ウェイストセンターの「くるくるショップ」で古川が一目惚れ(?)して東京に連れ帰ってきたもの。

本プロジェクトの一環として実施された「ゼロ・ウェイストタウン」上勝の視察に関してもこれからレポートが公開されるので、ぜひご期待ください。

「わかりやすく伝えたい」発信する側も試行錯誤

そしていよいよ、ゲストの養老孟司さんが到着。実は、虫をこよなく愛する養老さんは事前に「『地球目線』で話はできません」と仰っていたのです。

当日、中川や古川、大畑さんが改めて控室で台本のご説明をし、「みんなで、つなぐ!」プロジェクトにかける思いや、サステナビリティについて考える上で養老さんの視点を参考にさせていただきたい、と熱くアプローチ。

「僕は虫目線なので、地球という規模の神様のような目線は取らないんです」という養老さんの補足の説明を聞いた大畑さんが「虫目線というのは面白いですね。そこから環境問題について話を広げていましょう」と提案。最終段階の話し合いで、対談の切り口や方向性に調整をかけ、ブラッシュアップすることができました。

ちなみに、制作スタッフは養老さんに緊張感丸出しでしたが、事前にお伝えしていなかったにも関わらずご著書に快くサインをしてくださる気さくな一面も。

そして、もう一人の出演者世良マリカさんは、養老さんお話の理解を深めるための聞き手の役割を担当されました。「社員が自分ごとでサステナビリティについて考えられるよう、『面白く元気にと伝えたい』と意気込みを伝えてくださいました。

大畑さんは出演者二人とのミーティングを受け、「専門的になりすぎずに、できるだけわかりやすく伝えたいですよね」と、台本をめくりながら収録開始の直前まで試行錯誤。

「地球」をテーマに考える、養老孟司さんの4つのポイント

いざ、収録へ。虫の研究に情熱をささげ、虫の視点から世界を見ている養老先生は2つの大きなテーマに沿って、それぞれ5つポイントでお話ししてくれました。

・養老さんに聞く!地球の持続可能性に必要な5つのポイント
・一人の企業人としてサステナビリティと向き合っていくための5つのポイント!

中でも印象的だった言葉だったのは、

「僕は、(地球環境のために)何もそんな立派なことをしようと思っているわけじゃないです。自分ができるだけ『居心地の良い状態でいること』が大切だと思います。自分の居心地の良い状態の総和が、地球環境になります」

「自分を起点に考えれば、最終的には他者を大事にすることに繋がります。身の回りの人のことも大事にして欲しいです。あいつはダメだから、と蹴っ飛ばして追い出すようなことはしないってことですね」

飾らないながらも胸を打つ言葉、示唆に富んだお話の数々に聞き入る世良さんと大畑さん。

古川が収録中に即席でカンペを出し、「『居心地が良い』とは?」「養老さんが本気で生きていると感じる瞬間とは?」「やりたい事をやるための第一歩は?」と世良さんと大畑さんに質問の指示をする場面も。社員にわかりやすく伝えたい、という思いのほとばしったライブ感ある現場になりました。

「自分を起点に考える」から、企業、社会へと波及させるには?

虫のこと、政治、経済、ビジネス、環境、さまざまな領域に造詣の深い養老さんに前のめりでお話を伺ううち、当初の収録時間が伸びて合計1時間に及ぶ長丁場になってしまいました。収録が終わると、養老さんが地球儀を指差しながら台湾での虫取りエピソードを教えてくださる一幕も。

世良さんは番組を振り返り、「最初、地球のために何か大きいことをしなきゃ、という考え方になっていたのですが、養老さんのお話を聞いて変わりました」と感想を教えてくださいました。

まずは「自分」を起点に考える、という養老さんの大きなメッセージ。野村不動産グループの二人はどう受け取ったのでしょうか?

古川は「当社グループも、サステナビリティポリシー『Earth Pride 地球を、つなぐ』の中で『人間らしさ』を掲げて人の幸せとは何かを追求しているので、フィットする考え方だと感じました」とコメント。

中川も、「サステナビリティについて、全グループの8,000人に講義形式で伝えるよりは、このように番組形式に挑戦したことで、メッセージが伝わりやすくなったと思います。社員には、日常の中で、ぜひ何が持続可能かどうかを(自分ごととして)考えながら働いて欲しい」と、期待を寄せました。

現代のビジネスパーソン必見の養老孟司さんのメッセージは、前編・後編に分けてお届けします。ぜひ、覗いてみてください!

そして、「自分」からさらに大きな「企業」を主語に、サステナビリティやソーシャルグッドを社会実装するためには、どのような考えが必要になるでしょうか?番組の2回目以降に、さっそく期待が高まります!