混ざり合って、自ら創る。沖縄のビーチと商店街に学ぶ、これからのコミュニティのかたち

青い海、強い陽射し、そして多様な文化が息づく沖縄。

その独自の風土のなかで、野村不動産グループの沖縄UDSは「人と地域の新しいつながり方」を模索しています。

前回の記事では、那覇で展開する「ホテル アンテルーム 那覇」が環境認証「グリーンキー」を取得するまでの取り組みを紹介しました。今回は続編として、ホテルの枠を超えた地域活動、そして沖縄中部の街・コザで生まれたスタートアップの挑戦をお届けします。

一見、異なる分野のようでありながら、両者に通底するのは「混ざり合い、自ら創る」という、新しいコミュニティのかたちです。

ホテルの外へ、街のなかへ 沖縄UDSが体感する「アップサイクルの日常」

沖縄UDSは、ホテル事業という枠に留まらず、「街の一員として関わる活動」を大切にしています。その象徴的な取り組みのひとつが、地域のごみ拾いと、環境をテーマにしたアップサイクルワークショップです。

ホテル アンテルーム 那覇とホテル ストレータ 那覇のスタッフ約10名が、ホテル周辺の清掃活動を終えた後、一つのワークショップに集まりました。講師を務めたのは、廃プラスチックを再生してアクセサリーなどを作る株式会社MEGURe/ jiyukimama代表の眞榮喜南(まえき・みなみ)さん。教職を経て、「環境配慮のハードルを下げるきっかけづくりを手作業から生み出したい」と活動を始めました。

この日のテーマは、沖縄のビーチで集めた海洋プラスチックを使った「しおり作り」。粉砕された色とりどりのペットボトルキャップの破片から好きな色や形を選んでアイロンの熱で固めていきます。参加したスタッフたちからは、「正解がなく、自分の感覚で作れるのが楽しい」といった声が聞かれました。

沖縄UDSホテルでのワークショップの様子
ごみ拾いとワークショップの様子

自分の街をきれいにしたり、素材から新しい価値を生み出したり。そのプロセスのなかで、地域と個人のつながりが芽生えていきます。「誰かのための清掃活動」ではなく、「自分たちの街を自分たちで整える」。沖縄UDSのスタッフにとって、その体験は単なる清掃やリサイクルを超えて、「街の住人」という実感を育む時間になっているようでした。

自然発生的な交流が挑戦を育てる― コザスタートアップ商店街の熱量

那覇のホテルで芽生えた「手触り感」と「街への帰属意識」。その想いが、企業という形で大きなうねりとなって広がっているのが、沖縄の中部・コザの「コザスタートアップ商店街(KSA)」です。米軍基地の門前町として異国の文化が交わり多様性にあふれるこの街で、起業家・クリエイター・地元の人々が集い、新しい試みが次々と生まれています。

コザのスタートアップ商店街
もともとシャッタ-街になっていた商店街。昼はこどもたちが縄跳びをしたり県外から打ち合わせに来る人も。夜になると飲み屋から音楽と笑い声が飛び交います

KSAは、スタートアップ支援や新規事業・ベンチャー投資を手がけるフォーシーズ株式会社が、2019年にコザの商店街内にオープンした拠点です。1階はカフェや交流スペースで、2階はシェアオフィス。打ち合わせ後に自然と雑談が生まれ、異業種同士のコラボが立ち上がるような「仕事と日常の境界をゆるやかに溶かす」ような設計になっています。

コザスタートアップ商店街のシェアオフィスの様子
KSAの一階のスペースにて入居者の方が作業している様子。KSAでは、オープンからこれまでに400名以上の起業者が生まれ、シェアオフィスには31社が入居。商店街内には卒業企業の新オフィスも増えているといいます(2025年10月取材時点)。

さらに、スタートアップのみならず、大手企業や老舗企業との連携も進んでいます。たとえば、北九州の老舗「岡野バルブ製造」は、コザにサテライトオフィスを設置。スタートアップのスピード感や柔軟な発想に触れ、自社技術を再定義しようとしています。

商店街で育ち、街に根を張る。そんなKSAのビジョンは「世界のイノベーションを興す挑戦者を生み出す商店街」です。礎には、琉球王国時代から伝わる「万国津梁(ばんこくしんりょう)」という言葉があります。世界の架け橋となり、あらゆる価値を繋ぐ。多様な人や文化を受け入れ、新しい価値を共に創る――その思想が、現代のスタートアップ文化と響き合っていました。

循環をデザインする― 資本と想いの「地産地消」へ

コザのスタートアップ商店街
商店街をフォーシーズ株式会社の小川きぬさんに案内していただいた

さらに、KSAの挑戦は空間づくりにとどまりません。2024年にはフォーシーズが「津梁ファンド」を設立。沖縄の企業から集めた資金を沖縄のスタートアップへ投資し、その成果を再び沖縄に還元する「資本の循環」を目指しています。

地方のスタートアップが県外資本に依存し、本社機能が流出してしまう課題に対し、地域で生まれた価値を地域に還す仕組みを通してアプローチする。行政と連携しながら、足りない部分を補い合う形で取り組みを進めています。

コザのスタートアップ商店街にある起業家アートギャラリー
コザのスタートアップ商店街の起業家アートギャラリーの中の様子
商店街内には、起業家がアートを常設する施設も

「会う・話す・動く」が同じ場所で起こっていく──那覇でのワークショップに見られた「対話しながら創る楽しさ」が、KSAではビジネスや新事業の種になっていました。自分ごととして街に関わり、手を動かして未来を形づくる。人々が交わるとき、再生のエネルギーが生まれ、循環の輪へとつながっているようでした。

手触り感のある循環が、未来を変える

沖縄UDSが目指す「ホテルと街の境界をなくす場づくり」と、KSAが掲げる「地域発のイノベーションを育む商店街」。その源には、共通して「混ざり合う力を信じる」という沖縄のチャンプルー文化が息づき、未来の社会を動かす確かな原動力となっています。

沖縄シリーズ最終回となる次回の舞台は、離島・宮古島。

●沖縄UDSの2つのホテル「HOTEL LOCUS」と「the rescape」
●宮古島市役所エコアイランド推進課
●島の広報を担う『島の色』編集部

沖縄本島とは環境も文化もひと味異なる視点からお届けします!

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